こんにちは! 川を下る上で、前2回でブログに書いた「フォワードストローク」と「スイープストローク」がしっかりできれば、パックラフトの操船はかなり思い通りになっているはずです。行きたいルートを進めるようになると、ダウンリバーがどんどん楽しくなりますよね。
しかし、水上では常にリスクと隣り合わせ。
今回は、「もしパックラフトからひっくり返ったらどうするのか?」
という、非常に重要なセーフティーのお話です。
まず大前提として、前回までにお伝えしたパドル技術そのものも重要なセーフティー要素です。しっかり技術を磨いた上で、万が一のレスキューの基本を頭に叩き込んでおきましょう!
パックラフトがフリップしたら?
パックラフトは底が平らで安定感がある反面、川の巻いているホール(落ち込みの白波)やドロップ(段差)などでは、あっさりひっくり返ることがあります。
いざという時にパニックにならないための最大のコツは、「ギリギリの状態でジタバタしないこと」。まずは自分の身を守ることを最優先に、以下の手順を意識してください。

ひっくり返った後の基本行動は、大きく分けて
「岸までの牽引スイム」か「再乗艇」
の2つです。
■岸まで近ければ「岸までの牽引してスイム」
もしひっくり返った場所が岸に近い場合は、パックラフトとパドルを捕まえ、手でパックラフトを捕まえたままバタ足で岸を目指しましょう。
■岸が遠い場合や、水上で復帰 「再乗艇」
- ステップ①:まずは息を吸う ひっくり返って水に沈んでも、PFD(ライフジャケット)のおかげですぐに浮いてきます。まずは落ち着いて呼吸を確保してください。
- ステップ②:ギアの確保 可能であれば、パドルとパックラフトを手放さないようにします。ただし、命の危険を感じる場合は潔く道具を捨て、体一つで泳ぐこと(自己保全)を最優先してください。道具は近くに浮いているはずなので、安全になってから確保しましょう。
- ステップ③:状況判断 周囲が安全で、できそうであれば後述の「再乗艇」を試みます。
- ステップ④:危険ならフローティングポジション 安全に再乗艇できる状況でなければ、無理をせず「フローティングポジション(ラッコの姿勢)」をとり、安全なエリアまで流されましょう。
※フローティングポジション(ラッコの姿勢)とは? 顔と足を下流(進行方向)に向け、膝を軽く曲げてお尻を浮かせる姿勢。これにより、水中の岩に足が挟まる(フットトラップ)のを防ぎ、足で障害物をクリアできます。
■再乗艇のコツと手順
安全な場所、または流れの穏やかな場所でパックラフトに乗り直す具体的な手順です。
- ステップ①:パドルとボートの確保
まずは手元にボートとパドルを引き寄せつかみます。 - ステップ②:ひっくり返っていたら、ボートを元に戻す
ボートが裏返しになっている場合は、以下の手順でひっくり返します。
1,ボートの底(または外側)にある外周ロープや、セルフベイラー(水抜き穴)の穴を掴む。
2,ボートを自分の方へグッと引っ張り上げるようにしてひっくり返します。
3,パドルを邪魔にならないところに乗せます - ステップ③: 再乗艇(ボートへの這い上がり)
水面からパックラフトに這い上がります。
1,ボートの真ん中あたり(コクピット付近)から、まず水面に伸びます。次に水面をキックする勢いを使って、一気に上半身をボートへ乗せます。
2,手前のチューブに乗るだけでなく、反対側のチューブを掴みに行くくらい深く覆いかぶさるのがポイントです。
3,最後は、お尻が上を向いている状態なので半回転させ、まずはお尻をシートに収めます。最後に足をよいしょと引き入れて、乗り込み完了です。
まとめ:安全に楽しむための3箇条
- PFD(ライフジャケット)とヘルメットは絶対着用!
- 単独(ソロ)でのダウンリバーは極力避け、複数人で行動する。
- 「もし今落ちたらどうする?」を常にシミュレーションしながら漕ぐ。
パックラフトは回転性が高く、軽量で扱いやすい素晴らしい相棒ですが、自然を侮ると危険を伴います。
いざという時のために、流れのない安全な場所での「セルフレスキュートレーニング」や、専門の「レスキュー講習(JSPA SRPなど)」を一度受けておくことを強くおすすめします!
安全第一で、最高のパックラフトライフを楽しみましょう!
次回はグループレスキュー
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