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【パックラフト・セーフティ】仲間がひっくり返ったら?知っておくべき「グループレスキュー」の基本

こんにちは! 前回は「もし自分がひっくり返ったら(セルフレスキュー)」というテーマで、再乗艇のコツなどをお伝えしました。
パックラフトは複数人で漕ぐ(グループダウンリバー)のが基本ですが、もし「目の前で仲間がひっくり返ったら」、あなたはどう動きますか?

川の流れのなかでは、一瞬の判断が生死を分けることもあります。今回は、仲間を助け、自分も安全にパックラフトを楽しむための「グループレスキュー」の基本ステップを解説します!

■ レスキューの絶対原則:優先順位と行動指針

レスキュー(救助)と聞くと、「一刻も早く助けなきゃ!」と行きがちですが、それは絶対にNGです。川のレスキューには、世界共通の鉄則(優先順位)があります。

レスキューの優先順位
1,SELF(自分) :まずは自分が絶対に安全な状態であること
2,TEAM(仲間・他のメンバー) :救助を手伝う周りのメンバーの安全
3,VICTIM(要救助者) :落ちた本人の救助
4,GEAR(道具) :パックラフトやパドルなどの回収

「沈脱した方を助けようとして、救助側も沈脱する」という二次災害を防ぐため、まずは自分の安全を確保した上で、以下のステップに移ります。

■3S Safety Simple Speed(レスキューの行動指針)

いざレスキュー(救助)の時、私たちが絶対に意識すべき「3つのS」という行動指針があります。現場でパニックにならず、最善の選択をするためのパドラーの共通言語です。
1. Safety(セーフティ:安全第一)
安全な行動か考える
2.Simple(シンプル:単純な方法から)
最初から難しい救助(川に飛び込む、複雑なロープシステムを組むなど)をしようとせず、まずは「声をかける」など、一番簡単でリスクの低い方法から試します。
3.Speed(スピード:速いレスキューからゆっくり時間を変えたレスキューへ)

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■ ステップ1:大声で周囲に知らせる(ホイッスル・コール)
誰かがフリップ(沈)したのを見つけたら、まずは大声やホイッスルでグループ全体に知らせます。
・上流のメンバーへ: 「ストップ!」のサイン(パドルを水平に掲げるなど)を出し、これ以上危険なエリアに人が突っ込まないようにします。
・下流のメンバーへ: 救助体制をとるよう促します。


ステップ2:声がけ、してほしい事を言う

1,大丈夫?とか平気?とかの声がけは不要です。 なぜならすでに水に浮いていて危機的状況だからです。 そんな言葉より【相手にやって欲しい行動】を大声で伝えます。
ポイント 短く、動詞で伝える!

・「再乗艇して」とか「乗るよ」など、まずは沈脱した方のセルフレスキューを促します
できそうであれば補助にはいってあげてください。パックラフトを支えてあげるや、乗り込む際のPFFを引っ張り上げることなど

■ステップ3:再乗艇がきびしそうなら牽引レスキューへ

泳いでいる仲間に、自分のパックラフトの「後ろ側(スターン)」を掴ませます。そのまま安全な岸(エディ)まで漕いで引っ張っていきます。その際できそうな事は声がけしましょう。 
「パックラフト、パドルを持つて!」 「捕まったら体のばして、できたらバタ足して」など
*捕まる場所はサイドやバウは操作性も悪く、レスキューアーも沈する可能性があるのできおつけましょう。

. 危ないと思ったら「放させる」決断も
牽引しているルートの先に、岩や倒木(ストレーナー)などの障害物が見え、「このまま進むと危険だ」と判断したときは、「一度スタン(後ろ)を放して!」と指示する決断も必要です。 お互いの安全のために、深追いしすぎないようにしましょう。

■ ステップ
:再乗艇や牽引が厳しい状況であれば「フローティングポジション」

状況が厳しくて再乗艇や牽引、道具の確保が難しい場合は、無理に抗おうとせず、まずは安全に流されるための「セーフティ フローティングポジション」をとって瀬をクリアすることに集中します。

瀬が終わり、流れが緩やかなエリアまで流されたら、ステップ②(声がけ)やステップ③(牽引レスキュー)の手順に戻り、安全な岸への回収を進めます

フローティングポジションの基本姿勢

  • 仰向け(ラッコのポーズ)で浮く: ライフジャケットの浮力を信じて仰向けになります。
  • 足を下流に向ける: 流されていく先に足を向け、膝を軽く曲げます(岩にぶつかったときにクッションの役割を果たします)。
  • お尻と足を浮かせる: 【最重要】 川底の岩に足やお尻が引っかかる「フットトラップ」を防ぐため、しっかりとお尻を浮かせ、足を高く保ちます。川底に立とうとするのは絶対にNGです。

■ まとめ:レスキューは「事前の準備」がすべて

グループレスキューは、レスキューギアを持っているだけでは絶対にできません。 いざという時にスムーズに動くためには、以下の3つが不可欠です。

  1. 事前の役割分担: 先頭(スカウト・ルート選び)と最後尾(スイーパー・回収役)を必ず決める。
  2. 安全な場所での練習: シーズンインの前に、仲間同士で練習してください。
  3. レスキュー講習の受講: 「JSPA(日本セーフティパドリング協会)」の専門のSRP講習を受けることで、チーム全体の安全レベルが格段に上がります。

パックラフトでの川下りは、お互いを支え合う仲間がいてこそ、より深く、より安全に楽しめます。 次のダウンリバーでは、ぜひ「もし今、隣の仲間が落ちたら?」を意識しながら漕いでみてくださいね!

次回は、陸からのレスキュー スローバッグレスキューについて



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